Next: インストール
Up: ADPACK Ver. 2.2 ユーザーマニュアル
Previous: Contents
Contents
ADPACK(Atomic Density functional program PACKage)は密度汎関数理論 (DFT)に基づき原子の電子状態計算を行うためのプログラムパッケージです。
球対称なポテンシャル形状の仮定のもと、Schrödinger方程式またはDirac方程式を数値的に解くことで、原子の電子状態を計算します。
交換相関エネルギーは局所密度近似(LDA) [1,2]、または一般化勾配近似(GGA) [3]の枠内で取り扱われます。
プログラム・パッケージとソースコードはGNU-GPL(一般公的使用許諾) [23]に準じて配布されており、
OpenMXのWebサイト (http://www.openmx-square.org/)からダウンロードすることができます。
ADPACK Ver. 2.2の特徴を以下に列挙します。
- Schrödinger方程式またはDirac方程式による全電子計算
- LDAおよびGGAによる交換相関エネルギー
- 有限要素法(FEM)を用いた全電子LDA計算とHartree-Fock計算 (Schrödinger方程式の場合のみサポート)
- Troullier-Martin (TM)型 [4]、Bachelet-Hamann-Schluter (BHS)型 [5]、
Morrison-Bylander-Kleinman (MBK)型 [6]の擬ポテンシャルの作成
- Hamannの方法 [9]による非束縛状態に対する擬ポテンシャルの作成
- KleinmanとBylander(KB)による分離型擬ポテンシャルの作成 [7]
- Blöchlの多重プロジェクタ [8]による分離型擬ポテンシャルの作成
- 交換相関エネルギーに対する部分内殻補正 [14]
- 波動関数の対数微分の計算 [16]
- 分離型擬ポテンシャルに対するゴースト状態の検出 [17]
- 半相対論的取り扱い [18]
- スピン軌道相互作用を含んだ完全な相対論的取り扱い [6,19]
- 閉じ込めポテンシャル下における擬原子軌道の作成 [15]
- 波動関数の解析
- 電子密度の解析
- 擬ポテンシャルと擬原子軌道のデータベース
ADPACKを用いて作成した擬ポテンシャルや擬原子軌道は、分子や固体のDFT計算を実行するプログラムパッケージ OpenMXの入力データとなります。
ADPACKは標準的なC言語で作成されていますので、UNIX、LINUX、CYGWIN [22]などの標準的なUNIX系の環境で実行可能です。
擬ポテンシャルと擬原子軌道のデータベースも、上記のウェブサイトで無償公開されています。
t-ozaki
2014-01-09