Tersoff-Hamann法 [52]によって走査型トンネル顕微鏡(STM)のイメージを計算することができます。 この方法は、化学ポテンシャルから計ったエネルギーウィンド内の部分電荷密度の計算に他なりません。 部分電荷密度は次のキーワードを使って計算します。
partial.charge on # on|off, default=off partial.charge.energy.window 0.0 # in eVここで、二番目のキーワードにより化学ポテンシャル(プラスの値は伝導帯を、マイナスは価電子帯を意味します)から計った エネルギーウィンドウ(eV単位)を指定します。 部分電荷密度の計算は状態密度(DOS)の計算の際に実行されますので、次のキーワードも指定する必要があります。
Dos.fileout on # on|off, default=off Dos.Erange -20.0 20.0 # default = -20 20 Dos.Kgrid 5 5 5 # default = Kgrid1 Kgrid2 Kgrid3計算が正常に終了すれば、Tersoff-Hamann近似の範疇でSTMシミュレーションに利用できる「*.pden.cube」が生成されます。 例として、本手法によって得られたグラフェン層のSTM像を図41に示します。