インストールの際のヒント

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インストールの際のヒント

OpenMXのインストールにおける問題のほとんどは、LAPACK、BLASおよびこれらの代替ライブラリへのリンクが原因です。多くの場合においてACMLあるいはMKLをリンクすることをお勧めしますが、計算速度および安定性において ACMLがMKLよりやや優位性があります。これらのライブラリとリンクする例は「source」ディレクトリの「makefile」内に記されています。

いくつかのポピュラーなプラットフォーム上でのインストールに関するヒントを以下に記します。 OpenMXは、CとFORTRANのコンパイラ、およびLAPACK、BLAS、FFTライブラリを必要とします。更に、Cコンパイラはリンクのために使用されるため、コンパイラに対応するFORTRANライブラリを明示的に指定しなければなりません。下記に一般的なコンパイラおよびLAPACK、BLASライブラリにおけるインストール設定例を記します。ここで、FFTライブラリは/usr/local/fftw3/にインストールされていると仮定します。

IntelのCおよびFORTRANコンパイラ（icc、ifort）、LAPACKとBLASにはMKLライブラリを使用
MKLROOT=/opt/intel/mkl
CC=mpicc -O3 -xHOST -openmp -I/usr/local/fftw3/include -I/$MKLROOT/include
FC=mpiifort -O3 -xHOST -openmp -I/$MKLROOT/include
LIB= -L/usr/local/fftw3/lib -lfftw3 -L/$MKLROOT/lib/intel64/ -lmkl_intel_lp64 -lmkl_intel_thread -lmkl_core -lpthread -lifcore
PGIのCおよびFORTRANコンパイラ（pgccpgCC、pgf77、pgf90）、LAPACKとBLASにはACMLライブラリを使用
CC=mpicc -fast -mp -Dnosse -I/usr/local/fftw3/include -I/usr/local/acml/gnu64/include
FC=mpif90 -fast -mp -I/usr/local/acml/gnu64/include
LIB= -L/usr/local/fftw3/lib -lfftw3 /usr/local/acml/gnu64/lib/libacml.a /usr/lib64/libg2c.a -pgf90libs
重要：PGI Cコンパイラで-mpオプションを使ってOpenMPを有効にする場合は、プリプロセッサオプション-Dnosseを指定しなければなりません。
GNU CおよびFORTRANコンパイラ（gcc、g++、gfortran）、 LAPACKとBLASにはMKLライブラリを使用
MKLROOT=/opt/intel/mkl
CC=mpicc -O3 -ffast-math -fopenmp -I/usr/local/fftw3/include -I/$MKLROOT/include
FC=mpif90 -O3 -ffast-math -fopenmp -I/$MKLROOT/include
LIB= -L/usr/local/fftw3/lib -lfftw3 -L/$MKLROOT/lib/intel64/ -lmkl_intel_lp64 -lmkl_intel_thread -lmkl_core -lpthread -lgfortran
GNU CおよびFORTRANコンパイラ（gcc、g++、gfortran）、 LAPACKとBLASにはACMLライブラリを使用
CC=mpicc -O3 -ffast-math -fopenmp -I/usr/local/fftw3/include -I/usr/local/acml/gnu64/include
FC=mpif90 -O3 -ffast-math -fopenmp -I/usr/local/acml/gnu64/include
LIB= -L/usr/local/fftw3/lib -lfftw3 /usr/local/acml/gnu64/lib/libacml.a -lgfortran

その他のコンパイラとLAPACK、BLASライブラリの組み合わせも同様に可能です。下記のコマンドを使用することで、MPIが利用するコンパイラ（Intel、PGI、GNU等の）についての情報を表示することができます。

      %mpicc -compile-info (MPICHの場合)
      %mpicc -help  (OpenMPIの場合)

CコンパイラがFORTRANライブラリの保存場所を見つけることができない場合、次のようなリンクエラーが生じることがあります。

Intelコンパイラの場合：

      /usr/bin/ld: cannot find -lifcore

PGIコンパイラの場合：

      /usr/bin/ld: cannot find -lpgf90

あるいは

     -lpgf90_rpm1, -lpgf902, -lpgf90rtl, -lpgftnrtl

（-pgf90libsは、これらへのショートカットにすぎないため）

GNUコンパイラの場合：

      /usr/bin/ld: cannot find -lgfortran

このリンクに関する問題を解決するには、以下の手順でFORTRANライブラリを明示的に指定する必要があります。まずFORTRANコンパイラの保存場所は次のコマンドで確認することができます。

      %which ifort (Intelコンパイラの場合)
      /opt/intel/fce/10.0.026/bin/ifort

      %which pgf90 (PGIコンパイラの場合)
      /opt/pgi/linux86-64/7.0/bin/pgf90

      %which gfortran (GNUコンパイラの場合)
      /usr/bin/gfortran

次に、FORTRANライブラリは通常、上記/binディレクトリの親ディレクトリの下にある/libディレクトリにあるため、次のようにLIBを指定します。

     LIB= ... -L/opt/intel/fce/10.0.026/lib -lifcore (Intelコンパイラの場合)
     LIB= ... -L/opt/pgi/linux86-64/7.0/lib -pgf90libs (PGIコンパイラの場合)
     LIB= ... -L/usr/lib -lgfortran (GNUコンパイラの場合)

t-ozaki 2013-12-23