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最適化PAO関数はデータベースVer. 2013として、OpenMXのwebサイト(http://www.openmx-square.org/)で一般公開されています。
公開されている基底関数は軌道最適化法により生成され [28]、また一連のベンチマーク計算により十分にテストされていることから、
一般ユーザーの最初の選択肢として、このデータベースの使用を推奨します。
データベースVer. 2013内のほとんどの元素に対して、化学環境のトレーニングセットとして3種の系が選択され、
選択された系に対して軌道最適化法によりPAO関数が変分原理に基づき最適化されています [28]。
これらの最適化基底関数のセットは部分空間回転とグラム・シュミット直交化法の組み合わせ手法を用いて統合されており、
一つのPAOファイルに保存されています。
最適化PAO関数はいくつかの異なる化学環境セットに対して最適化されているため、最適PAO関数の可搬性は高いと考えられます。
実際、データベースのウェブサイト上にある一連のベンチマーク計算では、対応する全電子計算の結果とよく一致しています。
これらベンチマーク計算を参考に、各元素に対しての適切な基底関数の選択(カットオフ半径と基底関数の数)が可能でしょう。
ベンチマーク計算に使われた入力ファイルもウェブサイトから入手することができますので、それらはOpenMXの計算に慣れるために
有用だと思われます。
データベースVer. 2013の精度はデルタ因子により検証されています [27]。
71元素の平均デルタ因子は1.6 meV/atom、標準偏差は1.4 meV/atomとなっており、
これはデータベースVer. 2013の高い精度を示しています。
したがって一般のユーザーはこれらの最適化された基底関数を使用することが推奨されます。
デルタ因子の計算に関しては、「"格子定数 vs.エネルギー"曲線の計算」の章も参照して下さい。
t-ozaki
2013-12-23