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OpenMX Ver. 3.7では、キーワード「scf.energycutoff」もしくは「scf.Ngrid」で
生成された実空間の積分グリッドは、一部のハミルトニアン行列要素の算出とポアソン方程式の解法に用いられています。
ここで一部のハミルトニアン行列要素とは、差電子密度から生じるHartreeポテンシャルと交換相関ポテンシャルに対する
行列要素のことです。したがって全エネルギーは原子座標とグリッド間の相対位置に依存します。
原子座標の関数として相互作用エネルギーやエネルギー曲線を計算する場合には、それらの一連の計算に必要な
全ての計算において、この相対位置を保持することが、誤差を軽減するために重要です。
相対位置を保持するためには、グリッド生成のための原点のx、y、z成分を全ての計算において共通にする必要があります。
標準出力には、次の様なグリッド生成時の原点となるx、y、z成分が「Grid_Origin」として出力されています。
Grid_Origin xxx yyy zzz
一連の計算中のある一つの計算からこの値「xxx yyy zzz」を取得した後には、その他の全ての計算中で
同一の値を使用しなければなりません。「Grid_Origin」を明示的に指定するためには、
次のキーワード「scf.fixed.grid」によって「xxx yyy zzz」を指定
して下さい。
scf.fixed.grid xxx yyy zzz
この手続きにより、原子座標とグリッドとの相対位置をほぼ保持することが可能となり、
積分グリッドの使用に伴う数値誤差が軽減されます。
さらに、前節「バルクのエネルギー曲線計算に関するヒント」で議論したように、一連の計算において格子定数が
変化する場合には、キーワード「scf.Ngrid」によりグリッド数を明示的に固定して下さい。
t-ozaki
2013-12-23