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電場

SCF計算や構造最適化の際に、ノコギリ波による一様な外部電場を印加することができます。 例えば、a軸に沿って1.0 GV/m (10$^9$ V/m)の電場を印加する場合、次の様に入力ファイルの キーワード「scf.Electric.Field」を指定して下さい。

     scf.Electric.Field   1.0 0.0 0.0   # default=0.0 0.0 0.0 (GV/m)
電場の符号は、電子に印加されるものとして定義されています。 ノコギリ波による一様外部電場が真空領域を持たない周期的なバルク系に印加されると、 ポテンシャルの不連続面が導入されることになります。そのため、数値的な不安定性が引き起こされる 可能性があります。一方、分子系に対しては不連続面が真空領域に配置されますので、通常は数値不安定性の 問題は起こりません。電場印加の例として、電場によって誘起されたニトロベンゼン分子中の全電荷の変化を図22に示します。 -NO$_2$内の酸素とパラ炭素原子、それにパラ水素原子の間で大きな電子移動が起こっているのが分かります。 入力ファイルは「work」ディレクトリ中の「Nitro_Benzene.dat」です。 図22に示した差電子マップに関しては「2つのGaussian Cubeファイルの差の解析」も参照して下さい。


Figure 22: ゼロ外部電場印加の場合と、a軸に沿って印加された外部電場 (a)10 GV/m、および(b)-10 GV/m 下での ニトロベンゼン分子の全電子密度の差。 ここでオレンジ色と青色はそれぞれ、電子密度の増加および減少を示す。 傾いた矢印は印加した電場の傾きを図示。入力ファイルは「work」ディレクトリ中の「Nitro_Benzene.dat」。
\begin{figure}\begin{center}
\epsfig{file=nben_diff.eps,width=18.0cm}
\end{center}
\end{figure}



t-ozaki 2013-12-23