クラスター計算では、スピン多重度と固有状態のループ構造に対してMPI並列化が実装されています。 スピン多重度は非スピン分極計算およびノンコリニア計算では1、スピン分極計算では2となります。 スピン多重度がまず優先的に並列化され、多数のMPIプロセスが使用された際には、さらに固有状態が並列化されます。 OpenMX Ver. 3.9では、クラスター計算の固有値問題は、高並列固有値ソルバー: ELPA [39]によって 計算されます。 ELPA1またはELPA2が次のキーワードで選択できます。
scf.eigen.lib elpa1 # elpa1|elpa2, default=elpa1既定の選択肢はELPA1です。ここでは提示しませんが、我々のベンチマーク計算は 計算速度に関してほぼ同様な性能であることを示唆しています。 図 25 (b)に、Mn単一分子磁石のスピン分極計算の所要時間と速度向上比を示します。 使用した入力ファイル「Mn12.dat」は「work」ディレクトリ に保存されています。 速度向上比は、32プロセスと64プロセスで、それぞれ11および17であることが分かります。