光学伝導度テンソルと誘電関数の計算に関連する各キーワードの仕様は以下のとおりです。
CDDF.start
光学伝導度テンソルと誘電関数の計算を実施する場合に「on」と設定します。
デフォルト値は「off」です。「off」の場合は伝導度テンソルと誘電関数の計算は行いません。
CDDF.start on # on|off, default=off
CDDF.FWHM
光学伝導度と誘電関数の半値幅を設定します。デフォルト値はeV単位で0.2です。
本半値幅がローレンツ関数に適用されます。
CDDF.FWHM 0.2 # default = 0.2 (eV)
CDDF.maximum_energy
光学伝導度と誘電関数を出力する最大エネルギー値を設定します。
デフォルト値はeV単位で10.0です。エネルギーの範囲は 0.0 eVから開始します。
CDDF.maximum_energy 10.0 # default = 10.0 (eV)
CDDF.additional_maximum_energy
計算する周波数領域を拡張するためのエネルギー範囲を設定します。
光学伝導度と誘電関数の出力のエネルギー範囲は「CDDF.maximum_energy」で指定しますが、
ローレンツ関数の広がりのためにエネルギー範囲を超えた状態も寄与しうるため、
「CDDF.additional_maximum_energy」を設定し、出力のエネルギー範囲を超えた状態を
考慮します。
例えば、「CDDF.maximum_energy」が10 eVで、
「CDDF.additional_maximum_energy」が1.0 eV
と設定された場合、計算には11.0 (10.0+1.0) eV のエネルギー範囲が考慮されることに
なります。デフォルト値は 0.0 eVです。
CDDF.additional_maximum_energy 1.0 # default = 0.0 eV
CDDF.frequency.grid.total_number
光学伝導度と誘電関数のエネルギーグリッド数を設定します。デフォルト値は10000です。
またエネルギー間隔は
( Maximum energy - 0.0 ) / エネルギー格子の総数、つまり、
(eV)と与えられます。
CDDF.frequency.grid.total_number 10000 # default = 10000
CDDF.Kgrid
第一ブリルアンゾーンの積分グリッド数を3つの数字の組(n1,n2,n3)で指定します。
このグリッドが光学伝導度と誘電関数の計算に用いられます。
逆格子ベクトルの
,
,
軸が
それぞれn1、n2、n3分割され、ブリルアンゾーンの積分が実行されます。
「CDDF.Kgrid」はSCF計算で用いた「scf.Kgrid」と同一である必要はありません。
計算コストの削減のため、SCF計算には粗いグリッドを用い、また光学伝導度と誘電関数の
計算には細かいグリットの使用が推奨されます。