汎関数

OpenMXにおいて、交換相関汎関数は局所密度近似(LDA, LSDA) [2,3,4]もしくは一般化勾配近似(GGA) [5]と呼ばれる 近似手法によって取り扱われます。 キーワード「scf.XcType」で、交換相関汎関数に対する近似の一つが選択できます。

  scf.XcType                  LDA        # LDA|LSDA-CA|LSDA-PW|GGA-PBE

現在、「LDA」、「LSDA-CA」、「LSDA-PW」、「GGA-PBE」が使用可能です。 ここで、「LDA」と「LSDA-CA」はCeperley-Alderの局所密度汎関数とそのスピン密度版であり [2]、「LSDA-PW」はPerdew-WangによるGGAの表現形式で 密度勾配がゼロに設定された局所スピン密度汎関数です [4]。 「GGA-PBE」はPerdew、 Burke、Ernzerhofにより提案された一般化勾配近似（GGA）です [5]。 このGGAは実空間での一次有限差分法を用いて実装されています。さらに、LDA+$U$ (またはGGA+$U$)汎関数も使用可能です。 詳細は「LDA+$U$」の章を参照して下さい。 スピン(非)分極およびノンコリニア計算を指定する関連キーワードは「scf.SpinPolarization」です。

  scf.SpinPolarization        off        # On|Off|NC

スピン分極計算を実行する場合、「ON」に設定して下さい。 非スピン分極計算を実行する場合には「OFF」に設定して下さい。 キーワード「scf.XcType」に対して「LDA」を使用する場合には、キーワード「scf.SpinPolarization」はOFFにして下さい。 これらのオプションの他に、ノンコリニアDFT計算を実行する場合は「NC」に設定して下さい。 この計算に関しては「ノンコリニアDFT」の章も参照して下さい。