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閉じ込め擬ポテンシャル下で擬原子の基底状態および励起状態を計算することで、プリミティブ動径関数が生成されます [41]。
この計算はADPACKを用いて実行可能です。一例として炭素擬原子の-軌道のプリミティブ動径関数を図 1 に示します。
これらの関数は数値の表として、ファイル拡張子「pao」を持つファイルに保存されています。
図 1 から、基底状態はノードを持たず、第一励起状態は一つのノードを持っていることが分かります。
より高い励起状態ではノード数は一つずつ増加しています。プリミティブ動径関数と実球面調和関数の積から
プリミティブ基底関数が構成されます。さらに、このプリミティブ基底関数の線型結合によって一粒子Kohn-Sham波動関数が
記述されます。
計算の精度と効率は二つのパラメータ: カットオフ半径と基底関数の数により制御されます。
一般的に図 2 に示すように、カットオフ半径と基底関数の数を増加させることで、収束解が得られます。
しかしながら、大きなカットオフ半径を持ち、かつ多数の基底関数を使用する場合には、メモリー量や計算時間などの多大な
計算リソースが必要となることに注意が必要です。
各元素毎に適切なカットオフ半径と基底関数の数を決定する一般的な指針に関しては、参考文献 [41]で議論されています。
この議論によれば、周期表の右側にあるFやClなどの元素に対して、十分な収束性を達成するためには高い角運動量をもつ
基底関数が必要であり、周期表の左側にあるLiやNaなどの元素に対しては大きなカットオフ半径を使用すべきであるということが
分かります。
OpenMXのWebサイト(http://www.openmx-square.org/)では最適化基底関数のデータベースVer. 2019が無償公開されています。
従って一般のユーザーはこれらの最適化された基底関数を使用することが推奨されます。
Figure 1:
閉じ込め擬ポテンシャル下で生成された炭素擬原子の-軌道のプリミティブ動径関数。
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Figure 2:
炭素二量体の(a) 全エネルギーおよび(b) 平衡結合距離のカットオフ半径・基底関数の数に対する収束特性。
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