キーワード「MD.Type」を「NVT_VS」と指定することで、 速度スケーリング法 [30]による NVTアンサンブル分子動力学シミュレーションが実行可能です。
MD.Type NVT_VS # NOMD|Opt|NVE|NVT_VS|NVT_VS2|NVT_NHこのNVT分子動力学では原子運動の温度は、以下の書式で制御することができます。
<MD.TempControl 3 100 2 1000.0 0.0 400 10 700.0 0.4 700 40 500.0 0.7 MD.TempControl>この書式の最初の行は「MD.TempControl」であり、最後の行は「MD.TempControl」です。 最初の「3」は温度制御のために必要な行の数です。この場合には、引き続く3行で温度の指定を行っており、最初の列の数字はMDのステップ数を表し、 2列目の数字は速度スケーリングが行われるMDステップの間隔を与えます。 この計算例では、速度スケーリングは、MDステップが100回までは2回毎に行われ、MDステップの100回目から400回目までは10回ごとに行われ、 さらにMDステップ400回から700回では40回ごとに行われます。 3番目と4番目の列は、それぞれ設定温度 (K)とその区間でのスケーリング・パラメータを表します。 またその区間中における温度は線形補間によって与えられます。 速度は次式を用いてスケーリングされます。
1: MD step 2: MD time (fs) 14: kinetic energy of nuclear motion, Ukc (Hartree) 15: DFT total energy, Utot (Hartree) 16: Utot + Ukc (Hartree) 17: Fermi energy (Hartree) 18: Given temperature for nuclear motion (K) 19: Calculated temperature for nuclear motion (K) 22: Nose-Hoover Hamiltonian (Hartree)出力ファイル「*.ene」中で、最初の列はMD Step(MDステップ)、2番目の列はMD time(MD時間)等に対応しています。 例として、図 12 (a)にグリシン分子の速度スケーリングによるMD計算の結果を示します。 分子の温度が設定温度の周辺で振動していることが分かります。分子動力学シミュレーションの可視化には OpenMX Viewer [152,151]やXCrySDen [105]が利用できます。 これらのソフトウエアを用いて、出力ファイル「System.Name.md」を簡単にアニメーションとして 可視化できます。
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