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プリミティブ関数および最適化PAO関数は通常、原子に割り当てられます。
さらに、空原子を使って空孔領域に基底関数を割り当てることも可能です。
データベースのウェブサイト(http://www.openmx-square.org/)には空原子「E」の項目があります。
空原子「E」の擬ポテンシャルはフラットなゼロポテンシャルですが、この空原子「E」の擬ポテンシャルを使用することで、
原子位置とは独立に、空間上の任意の場所に基底関数を配置することができます。
それを行うために、空原子を以下のように定義します。
<Definition.of.Atomic.Species
H H5.0-s2p1 H_PBE19
C C5.0-s2p1 C_PBE19
EH H5.0-s2p1 E
EC C5.0-s2p1 E
Definition.of.Atomic.Species>
この例では、2種の空原子が「EH」および「EC」として定義されており、それぞれは「H5.0-s2p1」および「C5.0-s2p1」で指定される基底関数が割て当てられています。
従って空原子に対して、任意の基底関数が使用可能であり、また空原子の定義も空原子に対する擬ポテンシャルとして「E.vps」を使用するだけで、
簡単に行うことができます。
そして「EH」および「EC」はキーワード「Atoms.SpeciesAndCoordinates」によって、任意の場所に配置することができ、そこでは空原子に対する擬ポテンシャルは
ゼロであり、また空原子から系に供給される電子数もゼロとなります。
空原子の配置により、counterpoise法(CP)法 [46,47]を使って基底関数重なり誤差を推測できるだけでなく、
線形結合擬原子軌道 (LCPAO)法の範囲内で空孔状態や金属表面上の自由電子的状態を取り扱うこともできます。
例として、Cl空孔をもつNaClのF中心の計算を図 3 に示します。
点での最高占有状態がこのF中心の状態であることがわかります。
この計算は「work」ディレクトリ内の「NaCl_FC.dat」を使用して再現できます。
Figure 3:
Clサイト空孔を持ったNaClの最高占有状態の等値面(点)。この等値面はCl空孔をもつNaClのF中心を示している。
等値面はXCrySDenを使用して、0.042の等値(isovalue)で描画 [105]。
系の電荷を-1として、キーワード「scf.system.charge」を使用して計算。
水色および銀色はそれぞれナトリウムおよび塩素原子を表し、黄緑色の小丸は空原子の位置を示す。
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