next up previous contents index
Next: 分割統治法(DC法) Up: OpenMX Ver. 3.9 ユーザーマニュアル Previous: 軌道の最適化   Contents   Index

O($N$)法

一般に行列対角化の計算時間は、使用する基底関数の数の3乗に比例します。そのため大規模な系の計算では、対角化が計算の律速となります。 一方、近似手法であるO($N$)法の計算量はO($N$)となり、大規模系の取り扱いが可能となります。 しかし計算精度に関しては注意深い配慮が必要となります。 OpenMX Ver. 3.9では、分割統治法(DC法) [50]と 局在自然軌道(LNO)による分割統治法(DC法) [51]、 O($N$) Krylov部分空間法 [43]の三つのO($N$)法が利用可能です。 これらの三つのO($N$)法のなかでの我々の推奨はDC-LNO法です。 なぜなら、この方法は頑健で金属を含む幅広い物質に適応でき、これら三つの方法のなかで 並列化効率が最も高いと期待されるからです。 以下の章では、それぞれのO($N$)法について計算例を示しながら説明します。



Subsections